今がバブルかどうかなんてことは分かりません。
バブルがはじけて始めて、あれはバブルだったんだねと振り返れる類の事象だからです。
しかし歴史を振る変えると何度も何度もバブルははじけています。
「今回は今までのバブルとは違うんだ」とはじける直前まで言われていたにも関わらず。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』を読んで歴史に学ぶ重要性を感じたため記事にしました。
予言は不可能でも、過去に何度も起きていることは未来に起こる可能性が高いという予想は立ちます。
「この金融商品は画期的で絶対儲かる」と言われていた物が短期的に利益を上げたのち、暴落して崩れ去るということも何度も繰り返されています。
10年の間に1度以上バブルははじけるという前提に立ち、暴落してもホールドしていられる範囲内の金額で、伝統的な手堅い投資商品を持つのが最適解と、改めて感じました。
1960年代のパフォーマンス投資
1960年代にウォール街では「パフォーマンス投資」が流行したそうです。
この会社は近いうちに成長するというストーリーを仕立てて、大衆がそれを信じるから株価が上がっていくというものでした。
ストーリーが実現されず企業が成長しなくとも株価は上がっていたというのがミソです。
会社名にパフォーマンスとついているだけで株価は上がったというので驚きです。
株価収益率が100倍以上と、どんな合理的な説明もつかないほど株価が上がり、暴落しました。
さらにコンセプト会社の経営者はストーリーを仕立てるのはうまかったが、経営能力はなく潰れてしまったということです。
トレンドのキーワードで株を売るというのは、今だと「AI」「SDGs」等と名のつくアクティブファンドと被って見えます。
バズワードを差し込んできている時点で、ダメな点をごまかそうとしているのではないかと怪しい気配を感じます。
ちなみに管理人はアクティブファンドは買っていません。
1970年代のニフティ・フィフティ
1960年代のバブルの事例を見たときに、そんなよく分からない企業にイメージで投資するから痛い目に合うんだと思われた方がいるかもしれません。
1970年代はそんな反省から、優良な成長企業40~50社に人気と投資が集まり、ニフティ・フィフティと呼ばれたそうです。
中身はIBM、ゼロックス、マクドナルド、ディズニーなどで今聞いても立派な会社が揃っています。
優良な成長企業の株はずっとホールドしているから株価がどんなに上がっても高いということはない、という理屈だったそうです。
ニフティ・フィフティの企業は1972年には株価収益率90倍以上となる株価を付けるような企業もありましたが、1980年には10倍程度に暴落してしまいました。
いくらホールドし続けるつもりといっても、あまりに現実からかけ離れた高い株価になってしまうと、生きている間に利益が出るか分からないといった事例だと捉えています。
今もテスラがやたらと株価上昇していますが、本当にそこまでの実価値があるのかは気にかかるところです。
この手のバブルに巻き込まれないためには、少ない数の企業の株を買うのではなく、調子が良い業界も悪い業界も包括して市場全体に対して投資をするのがやはり正攻法であると感じます。
2000年代インターネットバブル
新しいテクノロジーを用いた会社の株価が上がる。
最初に儲けた投資家がそれを吹聴し、新たな投資家が投資をするのでさらに株価が上がるという、ねずみ講そのものであったと書かれています。
自分が買った以上の金額で売れるのであれば、買った価格も、価格が上がる理由もどうでもよくなってしまうという、人間の弱い心が現れていると思います。
(日本の住宅バブルもこれと同様の事象であった認識です。)
1960年代のバブルと同類のものが再びという感じがします。
40年も経つと当時パフォーマンス投資のバブルで痛い目にあった現役世代は引退している場合が多く、同じようなことが引き起こされてしまうという人類のアルアル事象かもしれません。
仮想通貨の草コインの最近の超暴落はこれと同類ですね。
インフルエンサーが超儲かると吹聴し、買わない人はバカと言わんばかりに煽って、超暴落前に売り逃げるという。
違法ではないですしお金の儲け方として頭が良いとは思いますが、財産を失って自暴自棄になった信者の方が自身や家族の身に危険を与える可能性だってあるわけで、いろんな意味で規格外だなと傍観していた次第であります。
20年以上ホールドするなら米国市場の期待利回りは7.5~8%
S&P500ベースの株式投資の総リターン平均は7.5~8%と考えられる。
と書かれていました。
管理人がFIREに向けて期待するリターンは税引き後で4%、税引き前で5~6%を設定していますが、実際にはもっと高いリターンを得られる可能性が高そうです。
「FIREの4%ルールを日本で暮らす場合に当てはめ考察」の記事で考察もしています。
私の買っている先進国インデックスファンド(のインデックス)は、20~30年での平均リターンは8%となっています。(本書の7.5~8%と合致)
4%ルールの起源のトリニティスタディは株式と債券を50%ずつ持っている場合、毎年4%ずつ取り崩していっても高確率で元本が減らないといった内容でした。
税引き前の利率が株式8%、債権2%で平均すると5%。そこから2割税金が引かれて税引き後の利率は4%。
本書の内容とトリニティスタディの結果も整合がとれているようです。
まとめ:バブルは起こるよ何度でも
『ウォール街のランダムウォーカー』から繰り返されるバブルの歴史を見てきました。
数十年あけて同じような原因によるバブルが起こっていますし、今現在でも同様の怪しげな事象は起きています。
予言は不可能でも、過去に何度も起きていることは未来に起こる可能性が高いという予想は立ちます。
10年の間に1度以上バブルははじけるという前提に立ち、暴落してもホールドしていられる範囲内の金額で、伝統的な手堅い投資商品を持つのが最適解と、改めて感じました。
管理人はこれからも、インデックスファンドをドルコスト平均法により淡々と積み増していきます。
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