やる気のある労働者は全世界で20%未満【仕事に関する9つの嘘】

経済

サラリーマンが常識と信じ込まされている嘘に対してバシバシ切り込んでいる「仕事に関する9つの嘘」を読みました。

その中から管理人が気になった内容を以下の3つで組み立てなおして記事にしました。

  • 会社の性質上、労働者にやる気は出にくい
  • 辞めたくなるのは会社ではなくチームの影響
  • 計画はできあがった瞬間から劣化が始まる

会社を辞めるにせよ転職するにせよ、何が嫌なのかという原因を知っておくことはFIREにも役立つ内容になると考えています。

会社の性質上、労働者にやる気は出にくい

  • 職場で出世競争をバチバチやっている人を見ると、仕事が嫌なのは自分だけなのではないか
  • コロナ禍前は満員電車で死んだ魚の目をしたサラリーマンを沢山みていましたが、それは日本だけの状況ではないか

こんなふうに思っていました。

ところが本書によると、職場に関するデータでは、労働者のやる気は世界全体で低いそうです。

熱意をもって仕事に取り組んでいると答える労働者の割合は20%にも満たないのです。

大企業はとにかく複雑だから、リーダーは協力で自然な本能として、単純さと秩序を求める。

(中略)だが単純さを求める気持ちは、やがて同調を求める気持ちに変わり、この同調圧力が個性を潰すようになる。

同調圧力といえば日本の(悪い意味での)お家芸な感じがしていましたが、アメリカでも同じだということですね。

 

企業の体制が最適な状況になるように、労働者の個性を潰し歯車と化すため、これでもやる気を出せる人間はかなり少数となっています。

配下のメンバにやる気を出してもらうには

メンバーがリーダーからどの程度の頻度で現状確認の打ち合わせをするとやる気が上がるのかも書かれていました。

 

週1だとメンバのやる気(※正確にはエンゲージメント)のレベルが13%高まるのに対して、月1だとむしろ5%低下したとのことです。

その理由は、月1だと毎回一般論しか話すことができず、メンバの抱える課題は解決もされず時間をただ無駄に取られたと感じるのみだからではないかと。

 

自分の配下にメンバを抱えているのでしたら、週1回は状況確認の時間を取るのが効果的なようです。

人間はフィードバックなんか欲していない

最近のSNSのユーザを例に出して、返信もいらなければイイネすら求めておらず、ただ自身の発表を見てくれる人さえいれば良いという行動をとっているようです。

(SNSのユーザは)フィードバックを求めているのではない、オーディエンスを探しているのだ

SNSのメインユーザはミレニアル世代ですが、その世代だけの特長ではなく、人類としての特長のようです。

これはなかかな衝撃的な情報でした。

 

先に、配下のメンバにやる気を出してもらうには週1回は状況確認の時間を取るのが良いと書きましたが、求められてもいないアドバイスなんかしたら逆にやる気を削ぐことになってしまうかもしれません。

人は話しているうちに内容が整理できていき勝手に自身で解決策を見つけられてしまうことが結構あるので、配下メンバの独り言をただただ聞いてあげるのが最適なのかもしれません。

辞めたくなるのは会社ではなくチームの影響

従業員がここで働くのを辞めようと決めるときの「ここ」とは会社ではなくチームだそうです。

確かに大企業だと、部署が変われば別の会社なのかと思うくらい仕事への考え方や細かなルールが違ったりします。

会社を辞めたいと思ったときは、他のチームや組織への異動ができないか交渉してみるのが良いかもしれません。

 

転職先を探すとときには、優れた文化があるかどうかを気にする必要などないと書かれています。

そんなことは誰にも本当は分からないからです。

その企業が良いチームを作るためにどんな努力をしているのかを探るのが良いとありました。

 

良さそうな会社だと思って転職しても、配属ガチャで失敗すると嫌な仕事が改善されません。

サラタメさんがYouTubeでお話されていましたが、会社の内情を知る知り合いを作るというのは非常に効果的と思います。

そのチームに配属されるように転職することができれば成功確率は上がりそうです。

計画はできあがった瞬間から劣化が始まる

いま現状に即した完璧な計画ができたとしても、変化の激しい時代に合って半年後には現状の方が変わってしまうので、計画通りに実施しても良い結果が得られないことはしばしばです。

 

本書では米軍がテロ組織と戦ったときのことを例に出しています。

計画を立てた時点では標的が存在していた地点に辿り着いたときには空き家となっており、攻撃が空回りすることがしょっちゅうあったと。

 

そこで現場で起こっていることに対して現場のメンバが、迅速できめ細かな自発的対応をできるようにする必要が出てきました。

情報を組織全体にできるだけ速く行き渡らせる仕組みを構築し、情報を開示する指揮官を育てることで米軍は勝利することができたと書かれていました。

 

↓本書で紹介されていた「TEAM OF TEAMS」を読んで書いた記事です。

PDCAサイクルに代わるOODAループ

サラリーマンならPDCAサイクルが重要と習うことが多いと思いますが、変化の激しい時代にPlanを時間かけて作っていてもサイクルが時代の速さに追いつかず効果がでないことが多いです。

まず現実に起こっていることを観測することから始めて現状に即座に対応していくという、OODAループという思考法があり、現代にはこちらが適す場面が増えていると感じています。

OODAループの詳細は「不確実性の高い時代にFIRE早期退職~PDCAよりOODA?」の記事に書いています。

まとめ:やる気のある労働者は全世界で20%未満

「仕事に関する9つの嘘」に書かれた内容からピックアップし以下をみてきました。

  • 企業の体制が最適な状況になるように、労働者の個性を潰し歯車と化すため、これでもやる気を出せる人間はかなり少数
  • 転職先を探すとときには優れた文化の有無ではなく、良いチームを作るためにどんな努力をしているのかを見る
  • 前に立てた計画に従うのではなく、現場で起こっていることに対して迅速できめ細かな自発的対応が重要

本書ではサラリーマンが常識と信じ込まされている嘘に対してバシバシ切り込んでいて面白かったのですが本記事では一部しか触れられていませんので、気になる方は書籍の方も見られると良いかもしれません。

管理人は図書館で借りて読みました。

 

↓管理人の勤め先のNTTグループ企業に関する記事です

↓年間90万円でハッピーに暮らせている人がいるのに嫌な仕事を続ける意義とは?という記事です

↓会社は労働者を歯車化するのに簡単に使い捨てるようになったという記事です

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