ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考」を読み、記事①ではテクノロジーの進化がもたらす問題について取り上げましたました。
今回の記事②では
- 人は何かを信じたい生き物であること
- ナショナリズムから鎖国をしても気候変動から逃げられないこと
に関して取り上げましたました。
資本主義はグローバル化で地球環境を破壊しまくっているため地産地消に戻すべきで、何なら鎖国した方が良いんじゃないかくらいに私は思っていたのですが、鎖国しても解決しないと本書から気づかされました。
人は何かを信じたい生き物
個人の考えを大事にする流れがありますが、人間はめったに単独では考えられないと著者は言います。
家族や会社や地域など属する集団で物事を考えます。
これは悪いことでは無く、空想を共有し集団で考えられるようになったことで人類(ホモ・サピエンス)は地球の生態系で頂点に立つことができました。
未知の物事は暴君よりも恐ろしく感じるということも書かれていました。

例えば勤め先がブラック企業でこの先潰れると分かっていても、会社を辞めて未知の環境に飛び出すのは恐ろしくブラック企業が潰れるまで勤めて続けてしまうのは、自然な現象なのかもしれません。
宗教とフェイクニュース
「1000人が1ヶ月信じたらフェイクニュース、10億人が1000年信じたら宗教」
と書かれていたのが興味深かったです。
なぜフェイクニュースを信じる人がいるのだろうかと疑問に思っていましたが、人は何かを信じたがる生き物だから信じるということなのだと思います。
信じているものがなく不安の大きい人ほど、何でも良いから信じたいと行動してしまうのは皮肉なものです。
また、偽りの物語を信じる集団は忠誠心が高いという話も載っていました。
リーダーが白と言えば、黒い物も白となる。
独裁国家はこんな感じですよね。
信頼できるニュースは無料では手に入らない
ニュースサイトやSNSなど無料でニュースや情報を見られる物は多いですが、企業は慈善事業ではないので、広告に繋ぐかユーザー情報の取得をしています。
クリックさせるための情報はタイトルだけ煽り気味で内容の価値は薄く、時間と個人の活動データと場合によってはお金も結局かかることになります。
信頼できるニュースを見たければ、対価を適切に支払う必要がありそうです。

私はニューな情報をあまり求めていないため、本から情報を入手するのが好みです。
間違っても、無価値な情報商材にお金を払ってしまうことはないように気を付けましょう。
鎖国しても気候変動には巻き込まれる
グローバル化でろくなことになっていないので、江戸時代みたいに鎖国した方がいいんじゃないかと私は思うようになりつつありました。
もちろん今すぐ鎖国なんからしたら、輸入に頼っている食料も衣服も手に入らず大変なことになるので、自国生産に戻して地産地消ができるようになってからということですけれど。
自国生産にすれば物価はあがりますが、元から安い商品を買っていたことが巡り巡って給料を下げることに繋がっていたので、どっちにしろ生活に負担がかかるのは変わらないと予想しています。
それなら安いニッポンにならないで済むように鎖国してしまった方がマシかなと。
トランプ元大統領はいいとこどりで外国との貿易を排除しようとして無茶苦茶なことになっていましたが、アメリカはアメリカだけでやっていきたいんだと思って投票したのであろうアメリカ国民の気持ちは分かる気がします。
平和に鎖国はなかなかできない
アメリカやイギリスでは鎖国的なナショナリズムが広まっていますが、本書ではその問題点が書かれていました。
日本は島国なので鎖国をしやすいですが、陸続きになっている国は領土の問題で揉めます。
自国の範囲は広くとっておきたいと考えるのが普通のため、平和的に鎖国に持ち込むのは難しいようです。
気候変動に国境はない
環境破壊による気候変動が目に見えて大変な状況になりつつあります。
自国が環境に優しい生活に戻したとしても、他の国が温室効果ガスを大量に吐き続ければぼくらの宇宙船地球号は崩壊します。
人類が地球環境に影響を及ぼしてしまうような人新生の時代になったので、全人類が協力して環境問題に対処しないと人類は滅びます。
鎖国すると、沈没船を他国がうまいこと修理してくれるのをただ祈るのみという状況になってしまいます。

外国で作ったものを石油を消費して日本に運ぶのはただただ環境を破壊しているので地産地消に戻すべきだと考えていますが、そこから鎖国へと発想を繋げていたのは私の思慮が欠けていたところのようです。
まとめ:ナショナリズムも気候変動からは 逃げられない
人類は未知の物事を暴君よりも恐れ、何かを信じたいと思う性質を持っていました。
フェイクニュースも宗教も、信じたい人の気持ちに働きかけている点では同じです。
信頼できる情報を手に入れるためには、適切な対価を払う方が安全に過ごせそうです。
アメリカやイギリスはナショナリズムに走りつつありますが、気候変動というグローバルな問題はグローバルに対応しないと解決できません。
金儲けのための方便のSDGsではなく、人類が地球上で生き残っていくためのサステナブルとは何なのか、信頼できる本を読んで学んでいきたいと思います。




経済に関する記事です。