運のいい人と言われる人たちがいますが、大半は巡ってきた幸運を取り逃さなかった人なのだと思います。
どのような準備をしておけば幸運を掴めるか脳科学の知見から書かれた「科学がつきとめた運のいい人」を読んで記事にしました。
自身の願いに他者への貢献を重ね、適切なストレス下で、少しのリスクを取る状態のときに脳は高いパフォーマンスを発揮するそうです。
投資、副業・起業、サラリーマンでも共通して参考になる考え方だと思います。
「運のいい人」ではなく偶発的な幸運を取り逃さない人
本書のタイトルにある「運のいい人」という表現が読了後もひっかかっているので、最初にそのことにふれます。
本書冒頭で以下のように書かれています。
運・不運というのは、誰の身にも公平に起きていて、その運をどう生かすかを少なくとも人は主体的にかかわっていける
「運のいい人」と聞くと、”運・不運というのは、誰の身にも公平に起きる”はずなのに、確立を超えて幸運に遭遇し続ける人という印象を受けます。
そのため本書のタイトルには非科学的で胡散臭い響きを感じるのですが、本書の内容は偶発的に訪れる幸運を活かすためには普段からどう過ごしていれば良いのかが脳科学的な知見から書かれています。
脳の仕組みから運をつかめる状態を考える
脳はどのような状況で脳内物質がでるか、パフォーマンスが高まるかということの研究が進んでいます。
訪れた幸運を取り逃さないようにするためには、脳が高パフォーマンスを出せる状態で控えておくことが効果的です。
この章では脳の特性を見ていきます。
脳は誰かと共生を目指すときに高パフォーマンス
他人のために頑張るというと偽善的に聞こえますが、他人の幸福を祈ると脳内に快楽物質がでるそうです。
個体としては貧弱な人類が地球の覇者になれたのは種全体で協力してきたからで、脳の仕組みも他者と共生することを良しとするように環境適応してきたのだと思います。
ただ、自身を犠牲にしてでも他者を優先しろということではありません。
強引に他者の幸福を願おうとしても、自身の脳は嘘を見抜いて快楽物質はでないそうです。
これが脳のパフォーマンスをあげるための工夫になります。
例えば、「出世したい」と願うときは「出世して増えた給与で家族に良い暮らしをさせたい」と他者を目的に取り込むということです。
この他者の枠が、偽善ではなく外に広がっていくほどに、パフォーマンスも高まるのだと思います。
脳は適切なストレス下で高パフォーマンス
ストレスが低すぎても高すぎても成果は下がるという法則が紹介されていました。
もちろん鬱になってしまいそうな高いストレスはダメです。
ちょっと実現するのは難しいくらいのストレスが加わったときに、脳は高いパフォーマンスを出します。
平穏無事、安心・安全な状態は理想の状態に思えますが、脳の力は発揮されない環境になってしまっています。
脳は少しリスクがある状況で高パフォーマンス
実行して毎回1,000円もらえるとの、2回に1回2,000円もらえるがもう1回は0円の場合、後者の方が脳は興奮します。
計算すれば両者の期待値は1,000円と同じであるにも関わらず、脳はたまに起こることを貴重だと感じてしまいます。
これは「影響力の武器」でとりあけられている『希少性』に該当すると考えます。
↓影響力の武器を読んで書いた記事です。
ソシャゲのガチャは『希少性』の特性を悪用しているので、気を付けておかないとです。
「100人に1人タダ」というキャンペーンは期待値では1%オフなのですが、何か凄い得だと錯覚してしまうので、世の中にはうまいこと考える人がいるものです。
話しがそれましたが、『希少性』を自身の脳に対して仕掛けると、”100%成功する取り組み”よりも”期待値は同じだが失敗することもある取り組み”に挑戦した方がパフォーマンスが高まります。
脳は瞑想すると高パフォーマンス
本書では、祈りは脳にプラスの影響を与えるという表現が使われていましたが、瞑想・マインドフルネス・イメージトレーニングをひっくるめたものと捉えています。
朝・晩と以下の瞑想をすると良いと推奨されていました。
- 朝はポジティブな気持ちになりやすいため、未来の目標について考える
- 晩は、今日の反省と明日の目標設定を行う
管理人はマインドフルネスに興味が湧いているため、何か面白い本を見つけたら記事にしようと考えています。
心構え
幸運をつかんだ人の心構えについても書かれていたのでご紹介します。
勝ち過ぎない
人間は自分が勝ちたい成功したいと思うからこそ頑張れるもので、そう願うことは悪い物ではありません。
しかし他者はどうなってもいいから、自分だけ1人勝ちしたいと願望が行き過ぎると良くありません。
短期的には成果があがるかもしれませんが、周りに自分を敵対視する人が増えすぎて長期的には潰されてしまうことが良く起こります。
「脳は誰かと共生を目指すときに高パフォーマンス」の節で書いたように『自分の願いと他者への貢献を重ねる』のが長期目線での効果的な状態だと考えます。
渋沢栄一の「論語と算盤」でも、資本主義が行き過ぎて1人勝ちしたい人ばかり出てきて社会がおかしくなると書かれていました。
↓論語と算盤を読んで書いた記事です。
ゲームを降りない
幸運はいつ訪れるか分からないので、不運が続いてもゲームを降りないことが大事です。
ギャンブルで最後に1発逆転狙って全額つぎ込み破滅するというのは、自暴自棄になってゲームを降りることと等しいです。
最小限のマイナスで済むように努力を続けて、幸運が訪れるのを待ち続けることが大事と書かれていました。

幸運が一生待っても訪れない可能性もあるので、モノによっては見切ることも必要だと思います。
この副業はだめだったから別の副業をためすと、事業レベルでは切り替えるけれど、副業というゲームからは降りないみたいなイメージです。
まとめ:いずれ訪れる幸運を掴むための準備
脳のパフォーマンスを高めるためには、自身の願いに他者への貢献を重ね、適切なストレス下で、少しのリスクを取れるように準備しておくのが良いと見てきました。
そして朝晩は瞑想をして整えると。
いずれ訪れる幸運を掴むたまに、マイナスを最小限にしてゲームから降りず、そして勝過ぎないのが重要でした。
投資、副業・起業、サラリーマンでも共通する考え方だと思いますので、実践していけるようになりたいと思います。


