当たり前のことを努力できる人がFIREに至る【父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え】

投資
支出は稼ぎより少なくする。
余りは投資する。
そして、借金をしない。

「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」のはじめに書かれている言葉で、これが本書の全てといっても過言ではないと思います。

 

書籍名にFIREと付いていませんが、本書はFIRE本です。

投資の名著「投資の大原則」の内容+FIREの4%ルールといった感じで、FIREに関して分かりやすくまとまっていました。

 

冒頭の言葉は当たり前のことと思うかもしれませんが、それを実行できる人が少ないためFIRE達成者も少ないのだと思います。

FIREは再現性の高い取り組みと思っていますが、決して楽な分けではありません。

具体的にどうしていけばよいのか、「借金をしない」「支出は稼ぎより少なくする」「余りは投資する」について解説していきます。

借金をしない

「投資の大原則」に書かれている9つの原則の中にも「⑥クレジットカードのローンは使わない」という項目があります。

FIREで経済的自由を手に入れるためには、借金をしない、しているならば早く返すことが必要です。

投資の事を考えるのはその後です。

 

↓「投資の大原則」の9つの原則は以下の記事に書いています。

アメリカ国民は消費した金額より多くの借金をクレジットカードで重ねています。

コマーシャルに煽られて、あれも欲しいこれも欲しいと借金を増すばかりです。

資本家に搾取され続けながら一生労働くことに嫌気のさした欧米のミレニアル世代を中心にFIREブームメントが起こったことにも納得がいきます。

↓以下の記事でアメリカの借金事情の事を書いています

日本でも欲しい物を今買うためにリボ払いなんて罠がありますけれど、絶対に手をだしてはいけません。

高い金利を搾取され続けることになるため、本質的には消費者金融からお金を借りるのと同じです。

漫画カイジに出てくる地下強制労働施設で一生働かされるのと同じような人生になってしまいます。

借金、ダメ、ぜったい。

自宅を買うことはお金のかかる道楽

自宅の購入は投資なので、物件選びを失敗すれば損をします。

毎月家賃を払うならローン組んで家を買えば最終的に不動産が残るので得という雑な理屈を不動産業者は言ってきたりしますが、そんな簡単ではありません。

新築物件は購入した瞬間に価格が2割落ちますし、何十年も経った家の修繕費はかなりかかります。

ローンで金融機関に払う金利はかなりの額となり、それを投資で運用したらかなりの資産増が見込めます。

 

FIREを目指すにあたり、借金して自宅を買うことはゴールを遠ざけます。

著者は、自宅を買うにしてもFIRE後の道楽とすることを推奨しています。

管理人は家を所有することに対してワクワクしないですし、住む場所を固定されるリスクを引き受けたくもないため、一生賃貸暮らし派です。

支出は稼ぎより少なくする

支出を稼ぎより少なくすることができれば苦労はしないよという声が聞こえてきそうですが、この苦労なしにFIREで経済的自由を手に入れることなどできないということです。

FIREは再現性の高い取り組みですが、決して楽な分けではありません。

 

管理人は手取り収入の8割以上を貯蓄に回しています。

収入がそこそこあることも影響していますが、それ以上に支出が圧倒的に少ないことが寄与しています。

↓幼少期からの支出最適化の取り組みを以下の記事で紹介していますので、ご参照ください。

余りは投資する

株式市場は20年以上の長期で見れば平均して右肩上がりの成長を見せていますが、価格が半値に暴落するタイミングが確実に起きています。

1,000万円投資していたらある日500万になることがあり得るということです。

その時に、長期的には価格が回復し右肩上がりの成長に戻ることを信じて、鬼ホールどできるかどうかが投資の勝ち負けを決めます。(注:インデックス投資の場合)

 

自分の投資した資金が半分になっても投資を継続できると100%確信できないのであれば、投資をすべきではないのです。

 

また1,000万が500万になるのは耐えられそうだが、5,000万が2,500万になるのは耐えられないといった金額の大小によるメンタルの影響もあると思います。

価格が半額になっても耐えられる金額だけを投資に回すという考えも重要になります。

 

↓管理人は今年末と来年末に自身の投資資金が半値に落ちたらどうなるかのシミュレーションをして心を備えています

そして著者は「資産積上げの時期」と「資産維持の時期」により投資方針は変わってくると書いていました。

資産積上げの時期

「卵を1つのカゴに盛るな」という投資の格言がありますが、著者は以下のように言っています。

大きく分散した1つのかごに全ての卵を入れ、できるときにはさらに追加して、それについて忘れること

資産積上げの時期は総資産を効率的に増やしていく必要があります。

一時的に総資産が半額に落ちようともFIREする段階で資産が最大になっていればよいという考え方です。

 

カゴを分けるなら、株式・債権・不動産・金などのコモディティと多種を買うことになりますが、そうではなくて投資効率の高い株式に集中投資しようということです。

ただし少数の企業の株式に集中するのではなく、市場全体を買えるインデックス・ファンドを買いましょうと。

 

また短期的な売買などはせずに鬼ホールドし、買っていることを忘れるくらいで丁度良いと言っています。

↓「投資の大原則」の9つの原則の中にも「⑦短期運用への衝動を無視しよう」という項目がありました。

管理人も、資産積上げの時期にあり基本的にはこの方針と同じです。

総資産の4割は現金(貯金)で残し、残り6割を株式インデックス・ファンドに回し、おまけ程度にJ-REITが安くなったら購入予定です。

↓詳細は「保有資産の心地よいアセットアロケーションを探る②」の記事をご参照ください。

ドルコスト平均法のメリット・デメリット

毎月同じ金額を購入していくという投資初心者の心強い味方・ドルコスト平均法に対して著者は否定的でした。

 

長期で見れば株式市場は右肩上がりで成長することを信じており、それが信じられないのであればそもそも投資を始めるべきではありません。

ドルコスト平均法というのは、市場が下落して痛みを軽減してくれる方に賭けています。

しかし77%の確立で市場は上昇してきた過去の実績があり、23%の確立に賭けるドルコスト平均法は非効率であるというのが著者の見解です。

 

大変合理的な考え方だと思います。

しかしこれを実践しきるには鋼のメンタルが必要になると管理人は考えます。

 

先ほども例に出しましたが、1,000万が半額になるのは耐えられるが、5,000万が半額になるのは耐え切れずに株式市場から退場して大損をしてしまうということが起こりえます。

一括投資直後にバブル崩壊が起これば10年以上株価が元に戻らなかったという過去事例もあります。

投資初心者が10年間マイナス状態での鬼ホールドに耐えられるかというと、かなりのレア人材だと思います。

↓間違った時期に一括投資する悲劇の記事

ドルコスト平均法は投資効率が悪いというデメリットはありますが、投資初心者のメンタルに優しいというメリットの方が大きいと管理人は考えています。

 

管理人
管理人

登山に例えると以下の感じです

富士山に登るという目標を持った場合、いくら高尾山を登っても富士山の登頂距離は伸びません。

合理的に進めるなら最初から富士山を登るべきということになります。

ただしこれは富士山を登る体力が備わっている人の場合です。

初心者は遠回りに見えても手近な山で訓練を積んで体力を備えることがゴール達成に繋がると思います。

これと同じで、一括投資が合理的ではあるものの、精神力の備わっていな初心者はドルコスト平均法から始めることがゴール達成に繋がると考えています。

資産維持の時期

資産維持の時期になると、投資資金が半額になることに耐えられなくなってきます。

そこで著者は「引退する5~10年前から債権への配分を少しづつ増やしていくこと」を推奨していました。

 

株式だけではなく債権も持つと資産増加効率は落ちますが、資産額の上下の値動きが少なくなるという利点を得られます。

管理人は現在債権を購入していませんが、FIRE後に債権を組み込んでいくのは1つの選択肢だと考えています。

 

「FIRE 最強の早期リタイア術」の著者は、数年分の生活費を現金で持っておき、株価が暴落している時期は株式を売らずにその現金でくらそうと提案されています。

生活防衛資金として現金を残しておくのか債権を買うのか、悩ましいところです。

最近の傾向では株価が下がると債権価格も下がるため、暴落時期にはどちらも心情的に売りづらくなると想像します。

であれば債権は買わずに生活防衛資金の現金を残しておく方が、管理人の指向には合います。

 

↓投資に関しては「投資の大原則」が良書で、以下で記事にしています。

まとめ:当たり前のことを努力できる人がFIREに至る

読むと当たり前の内容が多かったかもしれませんが、それを実行できる人が少ないためFIRE達成者も少ないのだと思います。

着実な努力を継続することが重要です。

 

FIREへのスタートラインに立つために、まず借金をしないのが前提でした。

自宅のための住宅ローンも借金ですから、よほど目利き力があって投資最適物件を見つけられでもしない限り、基本的にはNGです。

そして支出は稼ぎより少なくするという当たり前のことができて、経済的自由への第一歩が踏み出せます。

 

投資について資産積上げの時期では、株式に資産を集中するのが良いです。

ただし少数の企業の株式を買うのではなく、市場全体を買えるインデックス・ファンドで分散をとります。

投資入金タイミング関して、著者は効率面から一括投資を推奨していましたが、管理人はメンタル面からドルコスト平均法を選択しています。

 

資産維持の時期では、著者は債権の組み入れ比率を徐々に上げていくことを推奨していました。

ここは管理人の思案中のところではありますが、今のところは債権は組み入れずに生活防衛資金の現金でバランスを取っていく方針でいます。

これは今後考えが変わっていくかもしれませんので、そのときは本ブログで新たな記事とします。

 

FIREに向けての考え方が分かりやすくまとまった良い書籍でした。

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