「お金の減らし方」という変わったタイトルの本を読みました。
副業がバグって大金を手に入れたこの本の著者ですが、欲しいものがあって副業を始めたのであり、大金が手に入ったからといって基礎生活費を上げたりしていません。
自身が何に価値を見出し、支出の選択と集中をする「支出最適化」するうえで参考になる考え方が書かれていたので、ご紹介します。
大学助教授の著者が副業で小説を書き始めた経緯
「お金の減らし方」の著者は小説「すべてがFになる」などを書かれている森博嗣さんです。

管理人は読書はするのですが小説はほとんど読んでいません。
ただ「すべてがFになる」は面白いなとスルスル読めました。
著者は、大学の助教授をしていて残業を凄くしていたけれど管理職扱いなので給与固定、さらに土日も出勤していたそうです。
庭にミニ列車を走らせるようにしたいが、レールを敷くにはお金がかかるし、広い庭が必要でもっとお金がかかる。
助教授の給与だけではとても足りないが、自由な時間がほぼない。
そこで睡眠時間を削り夜に自宅でできる副業を探していて、小説を書いてみたという経緯とのこと。
小説家になりたかったわけではなく、物書きが好きなわけでもないけれど、お金を稼げているから続けているというぶっちゃけた説明が面白かったです。

小説のいろはを学ばずに書かれた小説だから、管理人には読みやすいものになっているのかもしれないと思いました。
何をしたくてお金を稼いでいるのか考える
大勢の人は、誰かに見せることを目的にお金を使っています。
人から憧れたり羨望されたりすることに価値を感じているのだと考えられます。
自身が欲しいものを買うために、自分のためにお金を使った方が良いのではなかというのが著者の推奨でした。
管理人も共感します。
自分の欲しい物、したいことがどうしても何も思い浮かばないという人がいらっしゃるそうです。
あまりにも周囲の空気に流されて生きてきたので、みんなと同じことが自分がしたいことだ、欲しいものだと勘違いしたままになっているとのことです。
周囲に流されることは
- 判断しなくても良い
- 考えなくても良い
- ただ、みんなについていけば迷子にならない
- 自分だけが損をすることはない
という気楽な状態であり、生き方として省エネです。
動物の脳はこのような状態を好みますが、頭が運動不足で肥満になったような状態であり、ある種病気とも捉えられます。
しかし人間の特長は、どんな動物よりも好奇心が強いということです。
子供の頃は誰もが持っていた好奇心を取り戻せば、自分が本当にやりたいこと、欲しいものに気付けるかもしれません。
以下、本書からの引用です。
他者に依存しないものを、自分の人生の目標とすることを、是非おすすめしたい。
これは、多くの人にとって、非常に難しい条件かもしれないが、本来それが本当の夢というものである、と僕は考えている。
人から褒めてもらいたい、優しくしてもらいたい、といった欲求は、お金でそういう演技をしてくれる役者を雇うことをおすすめする。
ちょっと極論な物言いな気もしますが、ロジカルな思考方法と感じます。
管理人は自身のお金の使い方のメリハリはかなり効いていると自認しています。
一般的にお金が使われるところには価値を見出していないので仙人みたいな生活に見られますが、漫画などの趣味にはほぼ支出の制限をかけていません。
たいしてお金のかからない趣味だから制限したところでたかが知れているという理由もありますけれども。
趣味は一人で完結できる
「本当の趣味人は人を誘わない」という話に共感しました。
スポーツなど仲間が増えれば楽しいというものもありますが、それは仲間がいるシチュエーションが楽しみなのであって、趣味の対象にはそれほど思い入れがないはずと書かれています。
管理人は趣味で同好の士を増やそうとは考えていません。
趣味の対象を同じように好きになってもらうための労力が手間ですし、仲間がいようがいまいが趣味を続けるので、それなら趣味は一人で完結している方が自己の価値観がはっきりして良いと思っています。
人に褒められなくても、嬉しいものは嬉しいです。
人に評価されないと価値がないという思い込みはおかしいです。
自己満足はいけないことだと教えられ、みんなと同じであることを教養されて育ってきました。
人に迷惑をかけることはもちろんしてはいけませんが、そうでないなら趣味が自己満足でどうしていけない理由があるのかということです。
他人を自由に動かすことはほぼ不可能なことなのに、何かするのに他人と一緒にやるべきという発想は、自身が自由に生きるための妨げになります。
人の目を気にしなくて良い環境に身を置くことが趣味への第一歩かもしれません。
趣味が明確になれば、それ以外は自身の価値基準では無駄遣いと判断できるようになります。
好きと得意を混同しない
好きな物が得意になるかもしれないが、著者が観察した限りでは、自己評価がかなりズレていることが多いとのことです。
好きだから、得意だと本人が信じきっているだけで、むしろ客観的に見てない人がほとんどだ。
自分がそれに向いているかどうかは、自分の満足度で測ってはいけない。
そういう主観的な見方しかできない人は、人の意見をもっと良く聞いて、修正する必要がるだろう。
好きで熱中してい行っていることは熟練度が上がっていく可能性は高いけれど、自己評価が甘くなりがちということは覚えておこうと思います。
「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」では副業に選ぶ6個の基準の中の1つに「楽しめる仕事内容」というものがありました。
しかし以下の2つは別物と捉えておいた方が良さそうだと思いました。
- 好きだから続けられること
- 好きだから上手になって稼げること
趣味が仕事になった人の例
中学生の頃からプラモデルが大好きで、プラモデルの着色が副業になった人の例が紹介されていました。
1,000円で購入したプラモデルを組み立てて色を塗ったものが、数万円で売れるそうです。
1つ作るのに1週間くらいかかるものの、1ヶ月で10万円ほどの副業収入になっているそうです。
趣味だったプラモデルの着色技術が、他者からお金を払ってでもやってもらいたいと思われるレベルに到達したため、仕事として成り立つようになったという事例と思います。
プラモデルは基本的には自分で作成することを楽しみにお金を払うものなので、完成品をお金を払って欲しいとなるのはかなりの突出した作成才能を要しそうです。
最初から仕事にすることを目的に技術を磨こうとしたら、途中で挫折するかもしれません。
「好きを仕事にする」という発想がありますが、「好きなことを付き詰めていくと運がよければ仕事になることもある」くらいに考えておいた方が無難かもしれません。
勧誘されてくる商品はほぼボッタクリ
バブルの頃より不景気になった後の方が株の勧誘が増えたと言われています。
自分でやって儲けるのが難しくなったため、人に売りつけることで儲けようとしている輩が多いです。
ワンルームマンション投資やサブプライムローンの金融派生商品なども同じ理屈です。
儲かるならば勧誘してきている本人が誰にも言わずに自分で実施するはずだと考えた方が良いです。
勧誘される商品は基本的に損するものを押し売りされていると思うのが無難です。
ブログを始めてすぐの頃、凄い師匠を紹介します系の勧誘がきました。
即ブロックしましたが、こういうの辟易しますね。
まとめ:趣味以外はただの見栄
「お金の減らし方」を読み、他人に他人に羨望されることを目的にしたお金の使い方ではなく、自身が本当に欲しい物、やりたいことは何かをどう考えれば良いかみてきました。
他人が関わらなかろうが実施する、一人で行う趣味というのは自身の価値観を見つめるうえで貴重な指標になりそうです。
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