健康に関する本を読み漁っていますが、「最高の体調」は気になるトピックが網羅されているため最初に読むべき健康本だと思っています。
前編の記事では、身体の不健康に関する炎症対策について書きました。
後編となる本記事では、精神の不健康に関する不安対策について書いています。
不安を感じるのは未来のことを考えるためです。
本来この機能は人類を長生きさせるために役立っていたはずですが、現代社会の中ではうつ病にまで追い込み死なせてしまうという、ある種の誤作動状態となっています。
不安を消すことは精神の仕組み上できませんが、いかに誤作動を少なくするかといったことを見ていきます。
人体の進化は幸福を目的としていない
前編の記事では、人の体と脳は旧石器時代からほぼ変わっていないという話をだしました。
生物は後世に遺伝子を残せれば手段は問わないという進化の仕方をしており、人も例外ではありません。
人体の進化は、個人の幸福や不満を気にかけていないわけです。
現代は多大な不安が人を自殺に追いやるほどの悪影響を及ぼしていますが、旧石器時代までの環境なら不安を感じる人の方が生き残りやすかったのだと思います。
ここを出発点として、どこまで悪影響を下げられるかを見ていきます。
マインドフルネス
根元的な不満や苦しみを完全に消すことはできないと分かったことから、その思いや自己すらもフィクションだと認識する手法が、ブッダの編み出した「悟り」です。
自分が不安を感じているな、と第三者目線で自己を観察できるようになること。
人生というゲームから完全に降りてゲームマスターになれれば不安を感じたところで影響はないというものです。
出家するとその域まで達するようですが、一般人にはかなりの無理ゲーです。
悟りに対して、「マインドフルネス」の方はもっとお手軽です。
↓書籍「超悟り入門」でも、悟りとは「この世が幻である」と理解すること解説されていました。
マインドフルネスというと=「瞑想」というイメージがありましたが、数ある手段のうちの1つであって瞑想をしなくてもマインドフルネスな状態にはなれるそうです。
不安というものは未来の不確定さを気にすることにより生じます。
現代でも旧跡時代と同じような狩猟採集をしている民族の不安度合いは、現代人と比べて圧倒的に小さいというデータが載っていました。
狩猟採集民族は今日の獲物、目の前の狩りに集中していて、未来という概念をそもそも持っていないそうです。
極端な話、動物は不安を感じていません。
未来という概念を持ってしまった現代人がそれを忘れ去ることはできませんが、マインドフルネスでは
- 今に集中する
- 自身の感情を自覚する
といったことで不安を緩和させます。
今やっていることに集中できていればマインドフルネスで、瞑想ではなく皿洗いでもマインドフルネスの状態になれます。
皿洗いに6分間集中すると
- 不安や神経症のレベルが27%下がった
- 新しいアイデアを思いつく確率が25%上がった
というデータが載っていました。
本書にはマインドフルネス度合いをチェックできる質問が載っていて、管理人がやってみたら既にマインドフルネスの状態でした。

1人で過ごす時間を多くとっていて、無音で黙々と作業を続けるような生き方が、意図せずマインドフルネスになっていたのかもしれません。
幸福
不安の反対の状態は幸福であると思います。
幸福について考えると書くと胡散臭さが漂いますが、どのようなときに幸福を感じるかアンケートを取ったデータが紹介されていて、それは参考にする価値のあるものと考えます。
幸福感の向上に寄与していてのは以下です。
- 自分の人生を自由にコントロールできる
- 仕事や人間関係の多彩さ
- 人生のタスクの適度な難しさ
- 他者に貢献できる
特に他者への貢献が幸福感に一番影響を与えているとの結果でした。
書籍「嫌われる勇気」で書かれていたことと同じく、やはり本書でも貢献が出てきました。
人体の仕組み的に、他者に貢献できたと思えると幸福を感じるようにできているようです。
↓「嫌われる勇気」を読んで書いた記事です。
他人から貢献しなさいと言われて実施したころで貢献感は得られず、むしろ搾取や詐欺に合いそうですが、自ら望んで貢献するというところを目指していきたいものです。
まとめ:不安対策
現代人の不健康の原因には、不安が大きく寄与しています。
不安を消し去ることはできませんが、マインドフルネスにより今に集中することで被害を軽減することはできます。
効率を重視してマルチタスクを実行することは健康を犠牲にしているかもしれず、バランスには気を付けたいところです。
幸福に関しては本書でも他者への貢献がでてきました。
管理人の今の勤め先は、福利厚生とワークライフバランスは良いのですがどうにも貢献感をえられていません。
FIREとは別に、仕事のありようについても考えていきます。



