サラリーマンは自由が無いと言ってフリーランスに憧れがちですが、雇われる側である限りフリーランスであっても自由は無さそうです。
「フリーランス、40歳の壁」に載っている事例からそう感じました。
本のタイトルが内容の良さを全然現していなく感じますが、フリーランスがどう大変なのか実体験が書かれていてとても参考になったので記事にしました。
雇われる側から抜け出すのが肝
管理人はサラリーマンを10年で以上続けていますが、ストレスが蓄積したためか体調がここ数年で怪しくなってきています。
健康を優先して、体を壊す前にサラリーマンを抜け出そうとFIRE(経済的自由を得て早期退職)を目指しています。
サラリーマンである以上、納得のいかない仕事であってもやらないといけないことはありますし、人間関係の煩わしさから逃れることは困難です。
フリーランスは自由と銘打っていますが、「フリーランス、40歳の壁」を読んで自由な人と不自由な人がいると分かりました。
サラリーマンは確実に雇われる側であり自由はありませんが、フリーランスだとしても雇われる側の立場にいる人に自由はないようです。
「FIRE最速で経済的自立を実現する方法」を読んだときも買い叩かれたらフリーランスはサラリーマン以上に悲惨そうだと感じていて、「副業でFIRE時短」の記事の中で触れています。
「フリーランス、40歳の壁」の中で、秘密結社 鷹の爪などでお馴染みのFROGMANさんのコメントが載っていました。
僕がうまくいったのは、実写で働いていた頃は誰かのルールの下で働くフリーランスだったのに対し、FLASHアニメ以降は自分でビジネスモデルを作るフリーランスになったということなのでしょう。
ルールを作る側、ビジネスを提供する側、人を雇う側にならなければ、サラリーマンよりもフリーランスの方が人生の自由度が下がりそうです。
超低コストで作って、自作の権利をすべて自分で持つ
FROGMANさんのコメントで、超低コストで作って自作の権利をすべて自分で持つのが重要ということも載っていました。
アニメは1話30分作るだけでも数千万円単位のお金が通常かかります。
それだけのお金を支出するのは大変なため、製作委員会方式を取り多くの企業からの出資を集めてアニメを作るのが一般的となっています。
大量のお金を出資してもらっているため、製作者は製作委員会の意向を汲み取るざるをえません。
また大半の作品では投資金額を回収できないため、ヒット作となっても利益はほぼ製作委員会に持っていかれてしまいます。
サラリーマンが仕事内容を自由に選べず、利益は株主に搾取される構造と同じだと感じます。
FROGMANさんアニメ・秘密結社 鷹の爪を2~3人だけで超低予算で作っているそうです。
ある程度売れれば投資は回収できますし、他人に忖度せずに自分の作りたものを作れる環境こそ本当の自由であると考えさせられる事例でした。
エヴァンゲリオン新劇場版も脱・製作委員会方式
書籍に載っていた内容ではないですが、エヴァンゲリオン新劇場版も製作委員会方式を辞めて自費製作されています。
エヴァンゲリオンのTV版と旧劇場版は製作委員会方式で作られており、大ヒットしたことによる利益は製作委員会に渡りクリエイターにはほとんど還元されずに薄給なままだったそうです。
そのことに思うところのあった庵野監督は新劇場版の作成あたり、自身で会社を立ち上げ自費で製作する決意をされたそうです。
第一号作品のヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のヒットを受けて、その利益が次作の:破に投入されてクオリティーが格段にアップしたのはファンとしても嬉しいところでした。
劇場作品を自費製作するには、よほどの資産と覚悟がないとできないことではありますが、製作物をクリエイターの元に取り戻す取り組みは大変重要であると考えます。
超低コストで作れる時代になった
株式会社ができたきっかけは難破リスクの高かった貿易船の運営のためで、本格的に広がったのはアメリカで国中に鉄道を敷くときだったと言われています。
どちらも大量の資源が必要で、多くの人手もかかり、巨額のお金を必要としていました。
現代はインターネットとテクノロジーの進化によって、少量の資源で一人でできる仕事も増えています。
[脱サラしてラーメン屋を始め、失敗して借金だけ残る]みたいな悲劇の起こらない、スモールスタートのビジネスがやり易い時代になっています。
FROGMANさんの話はアニメ業界のスモールスタートの好事例であると思いました。
↓「事業はスモールスタートが良い~FIRE早期退職に向けた副業」の記事でもスモールスタートに触れています。
フリーで生き続けていくには、自分の二番煎じに耐える
「フリーランス、40歳の壁」の著者は、フリーランスで最初仕事がうまくいっても、仕事を続けていくのは大変だと書かれていました。
何かヒット作を出せれば知名度が上がり仕事のオファーは来るものの、同じようなものを作ってくださいと言われることだらけになったとのことです。
仕事が来れば食べていけるのでありがたいところではあるけれど、自分の二番煎じとなる作品を作り続けていくことには忍耐力が必要だそうです。
仕事の依頼を受ける側である限りはフリーランスも自由が無いと感じられる話でした。
時間にも人間関係にも縛られたくないと願っているならASDかもしれない
著者は一時期大学の教授もやっていて、組織人として生きることに精神がやられて病院に行ったところ「自閉症スペクトラム(ASD)」と分かったそうです。
著者はこの診断結果をうけて、それまでの人生で感じていた違和感に合点がいったとのことです。
発達障害ともいわれるもので日本人の3~5%くらいはかかっているそうです。
発達障害といっても知能に影響はなく、むしろ学校の成績は良い人もいて、それと気づかず過ごしている大人も多いそうです。
スピルバーグ監督やタランティーノ監督もASDだそうで、良い環境の中に置かれれば独自の思考が天才として評価されることもあります。
ただ会社や組織の中で規律をもった行動を求められる環境では、うまく馴染めず変わり者・奇人扱いを受けて精神をやられてしまうことがあるそうです。
著者が、時間にも人間関係にも縛られたくないと願っているならASDかもしれないため、思い当たる節があるなら病院で診察を受けた方が良いとアドバイスを書かれていました。
管理人としてはこのアドバイスが本書を読んでの一番の収穫でした。
病気にならないためにFIREを目指していますが、解消したい事象は以下のことです。
- 大した理由がないのに以上に不安になるときがある
- 人と関わるのが億劫で引き籠りたくなる
- 不整脈がある
- よく眠れないことがある
- 皮膚炎が数年治らない(おそらくストレス性)
- 環境の変化で精神がヘトヘトになる
ASDを少し調べたところ凄く該当している。。。
病気にならないためにと思って活動していましたが、すでにASDが発症している状態なのではないかという疑念が湧いてきました。
FIREする前にまずすべきことは病院で診察を受けることと思えてきました。
病院にいったらそのことも記事にしようと考えています。
まとめ:サラリーマンかフリーランスかではなく、雇われる側か雇う側かが肝
フリーランスの事例が載っている「フリーランス、40歳の壁」を読み、仕事の依頼を受ける側・雇われる側である限り自由がないということが分かりました。
資本提供を受けずに超低コストで仕事をすることが自身の納得できる仕事をおこなえる、労働者が搾取される資本主義からの脱出に繋がるように思えました。
時間にも人間関係にも縛られたくないと思い脱サラしようとしている人は自閉症スペクトラム(ASD)かもしれないというのは驚きでした。
管理人はFIREする前に、まず病院に行こうと思います。


