有名なFIRE本の1冊「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」を読んだので記事にしました。
著者はアメリカの人で、どんどん副業にチャレンジして得たお金は投資に回し、さっさとFIREしてお金のために働かなくて済むようになりましょうという内容でした。
「FIRE 最強の早期リタイア術」と比べると、事業家目線の強いものでした。
FIREとはどういった活動なのか
FIREとはFinancial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期リタイア)の頭字語です。
著者は『お金の悩みから解放され、お金のために働く必要がなくなること』だと定義されています。
FIREにはいろいろな種類があって、FIREなのにリタイアしないものがあるのは変だという意見なんかも出ていたりします。
しかしお金のために嫌々働くことからリタイアさえできれば、あとは好きで働こうが働かなかろうが些末なことと考えられます。
日本のサラリーマン、いえ資本主義国のサラリーマンの多くは仕事が嫌で辟易していると感じます。
資本主義の仕組み上、例え働き手の気力を奪おうとも無味乾燥な仕事を大量の人間にさせた方が世界の資本が増えます。
資本主義である限り大半の人間の仕事は辟易するものになるという社会に生きていることを踏まえて、どう生きていくかを考えるのがFIREであると管理人は考えています。
訳者のあとがきでの説明が分かりやすかったため引用します。
FIREムーブメントは先進国を中心にグローバルな支持を集めている。
デジタルネイティブで従来の価値観に縛られないミレニアル世代(1980~2000年ごろまでに生まれた若者)が運動の中心であり、
- 過剰消費へのアンチテーゼ
- 人生を仕事に捧げることに対する反発
- より豊かな生き方の模索
といった側面を併せ持っている。
贅沢な暮らしをするために頑張ってまで働こうという気が起きませんし、嫌々仕事をし続けるのは心身がもたなそうです。
もっと自由に生きたいとFIREを目指し始めた管理人の想いに合致していると感じました。
サラリーマンのメリット・デメリット
誰か他の人のために働いている限り、頭一つ抜け出して成功することは難しいです。
稼げる金額が働き手の時間と給与に制限されますが、資本主義のありようからして会社は費用をできるだけ抑えようとするからです。
サラリーマンではなく個人事業主になったとしても、完全な下請けに入り安く買いたたかれていたら状況は同じです。
むしろ会社の枠というシールドが無くなる分だけ酷い目に合うかもしれません。
大事なのは買いたたかれる側の立場から逃れることです。
ただサラリーマンであることで得られる恩恵もあると書かれています。
- 安定的な収入
- 新しいスキルを学べる
- 人脈を広げるための費用を会社が負担してくれる
- 自分では手の届かないお金のかかる福利厚生
資本主義社会は個人よりも会社が有利な仕組みになっています。
著者は、最初から独立して仕事をするのではなく、サラリーマンとしての仕事を土台としつつ、副業で自分のビジネスを模索・拡大することを勧めています。
副業のススメ
サラリーマンになる前はバイトなど別の仕事をしていても、サラリーマンになると本業一本に絞ってしまう人が大半なのはクレイジーだと著者は言っています。
アメリカの話のため日本とは副業の扱われ方が違うのかもしれませんが、収入源を1つだけにしているのはリスク管理の観点からいって危険だとのことです。
日本も終身雇用は崩壊しつつありますし、大企業が潰れることだってあります。
サラリーマンとしての仕事が無くなったら生活が成り立たなくなるというのは、確かにかなり危険と考えられます。
副業の稼ぐ力を最大限発揮するためには、次の条件を満たすビジネスが良いと書かれています。
- 自営で働く
- 労働時間当たりの収入が高い
- 楽しめる仕事内容
- 新たなスキルが学べる
- ビジネスに成長性がある
- 不労所得に繋がる可能性がある
裏返せばアルバイトのような雇われ仕事を副業に選ぶのは得策ではないということです。
そうするなら本業で残業をした方がまだ効率が良さそうですし。
嫌な仕事をしないで済むようにするためのFIREを副業で目指すわけですから、嫌な雇われ仕事から逃れられる可能性のある内容の副業を選択するのが理にかなっていると思われます。
研究によると、自営業の人はいくら労働時間が長くなったとしても、サラリーマンより幸せを感じるそうです。
構想と作業が分断され、作業だけさせられているサラリーマンの仕事は幸せを感じられないと分かった以下の記事と合致すると思います。
FIRE前にサラリーマンを辞めるのはリスク大
副業を勧めている著者ですが、サラリーマンを辞めて副業1本に絞るのはリスクが高いと言っています。
うまくいけば本当にうまくいきますが、ビジネスを持続させるのが難しいと。
常に次の取引や次の資金を追い求めるあまり、自由の利く自営業と言いながら、実際は皮肉にも大きなストレスを抱えている人も多いそうです。
ハイリスク・ハイリターンのため、家族状況などを鑑みて、リスクを取って良い状況かどうかを冷静に考えて判断した方が良さそうです。
一瞬副業がうまくいったときにFIREの資金が貯まっていないのに勇み足でサラリーマンを辞めてしまうと大ダメージ、なんてことも起こりえそうです。
まとめ:最速で経済的自立を実現する方法
お金の悩みから解放され、お金のために働く必要をなくしたい。
そのためで副業で投資資金を増やそうという内容の本でした。
管理人は圧倒的な支出最適化で仙人のような暮らしをしているため、サラリーマン収入だけでFIRE資金が貯まりそうですが、他の方の価値観からすると犠牲にする事項が多いのかもしれません。
少なくとも配偶者や子供がいたら、同じレベルの支出最適化をするハードルはかなり上がりそうです。
それに対して、副業で少しであっても稼いだお金を投資に回してFIREまでの期間を短縮するという本書の内容は、より万人向けの内容となってそうでした。


